『Ank: a mirroring ape』は、何が書いてある本?
最新の進化人類学を踏まえたサイエンスフィクション・エンターテインメント小説です。第20回大藪春彦賞、第39回吉川英治文学新人賞を受賞の話題作。
2026年、多数の死者を出した京都暴動(キョート・ライオット)。
ウィルス、病原菌、化学物質が原因ではない。そしてテロ攻撃の可能性もない。
人類が初めてまみえる災厄は、なぜ起こったのか。
発端はたった一頭の類人猿(エイプ)、東アフリカからきた「アンク(鏡)」という名のチンパンジーだった。AI研究から転身した世界的天才ダニエル・キュイが創設した霊長類研究施設「京都ムーンウォッチャーズ・プロジェクト」、通称KMWP。
センター長を務める鈴木望にとって、霊長類研究とは、なぜ唯一人間だけが言語や意識を獲得できたのか、ひいては、どうやって我々が生まれたのかを知るためのものだった。
災厄を引き起こした「アンク」にその鍵をみた望は、最悪の状況下、たった一人渦中に身を投じる――。江戸川乱歩賞『QJKJQ』で衝撃の”デビュー”を果たした著者による、戦慄の受賞第一作!
我々はどこから来て、どこへ行くのか――。人類史の驚異の旅(オデッセイ)へと誘う、世界レベルの超絶エンターテインメント!!
新進気鋭の霊長類研究者である主人公・鈴木望が満を持してスタートさせた「京都ムーンウォッチャーズ・プロジェクト」。時を同じくして京都市中を襲う原因不明の多発的暴動事件。望にアンクと名付けられた無垢な幼いチンパンジーは、あまたの生物の中で唯一高度な文明を持ち得た人間の進化の謎のカギを握る存在なのか――?
京都の街中で次から次へひろがっていく凄惨な殺戮描写は超一級のサスペンスとして読み進めることができます。次どうなるの?どこまで事態は酷くなっちゃうの?と手に汗握る読書体験となること請け合いです。
どんな人にオススメ?
アンク(鏡)という名前をチンパンジーに与えた主人公・望は、人類の進化の謎にとある一つの仮説を持っています。望の子供時代のトラウマと〈鏡〉。どこか神話的でさえある人間と〈鏡〉の関係性……。凄惨なキョート・ライオットの推移と平行して、人の心と知性の起源をめぐる繊細で知的な探究の物語が紡がれていきます。
人類の進化の謎、ミッシングリンクに興味のある人には特にオススメです。ジャレド・ダイアモンド博士の本が好きなら絶対に楽しめる小説です!
yonderumonの注目ポイント!
「京都ムーンウォッチャーズ・プロジェクト」の出資者ダニエル・キュイ。元・天才的AI研究者にして大富豪の彼が鈴木望の研究に視た未来とは? ダニエル・キュイを追いかける科学ジャーナリストのケイティ・メレンデスや、パルクール少年シャガの活躍も見どころです。
次に手にとるのはこんな本!